写真集『能登、ひとおし。』が生まれるまで —— 田中昭文堂印刷が込めた復興への想い

はじまりは一通の連絡から
今年6月、当社営業員に、かつて何度かお仕事をご一緒したFOCUS代表・山下辰行さんからご連絡をいただきました。
以前、撮影をお願いしたご縁からのことでした。
山下さんから語られたのは、能登半島地震からの復興を後押しするために、奥能登の風景と人々の営みを写した写真集を制作し、その売上を寄付するプロジェクトを立ち上げたという話でした。
そして、その写真集の印刷を当社に任せたいというご相談だったのです。

想いに共鳴し、一緒につくり上げることに
能登という土地は、私たちにとっても近しい存在です。
その復興を願うプロジェクトにお声がけいただいたことを大変ありがたく感じ、社内でもすぐに話し合いを行いました。
結論は早く、「是非一緒に作り上げたい」というものでした。
こうして、プロジェクトは以下の体制でスタートしました。
- プロジェクトリーダー:山下辰行さん(FOCUS代表)
- ディレクション:岡田有紀さん(FOCUS所属)
- デザイン:田中サトミさん
- イラスト:饅頭VERYMUCHさん
- 印刷・製本:田中昭文堂印刷
岡田さんの繋がりで、饅頭さんと田中さんが加わり、個性豊かなチームが形づくられました。
写真家・浅田政志さんの参加という追い風

このプロジェクトにとって、大きな転機となったのが、写真家・浅田政志さんの参加です。
山下さんが自らコンタクトを取り、浅田さんがこの想いに賛同してくださったことで、プロジェクトは一気に注目度を増しました。
実際の撮影の様子や被写体に関しては、公式サイトに詳しく紹介されています。

田中昭文堂印刷の役割
当社の担当は、デザイナー・田中サトミさんが制作された美しいデザインを、紙の上で最良のかたちに仕上げること。
ですが、それだけに留まりませんでした。
印刷プロの視点から、プロジェクト全体の打ち合わせに参加し、スケジュール提示、用紙選定、表紙の加工方法、印刷・製本仕様に関する技術的な助言を行い、写真集完成まで一緒に伴走しました。
タイトなスケジュールの中、文字校正・色校正を何度も重ね、納得のいく仕上がりを目指しました。
印刷当日には山下さんが来社され、印刷の現場を撮影してくださいました。
約1週間後には製本作業も完了し、ついに納品。山下さんのご尽力で、県内の書店にも並び、現在ではオンラインでも好評発売中です。

印刷を通じて、能登復興を後押しする
私たちは、プロとしての知見を惜しみなく提供することで、この意義ある活動に少しでも貢献できればという想いで関わらせていただきました。
FOCUSの山下さんをはじめ、ディレクションの岡田さん、デザインの田中さん、イラストの饅頭さんと、それぞれが「復興を後押ししたい」という思いを持ち、惜しみない力を注いでいました。その姿勢に深く感銘を受けました。
そして、遠くから力強くプロジェクトを支えてくださった浅田政志さんに、改めて敬意を表したいと思います。

おわりに
この写真集『能登、ひとおし。』には、人と人とのつながり、地域への想い、そして未来への希望が詰まっています。
私たち田中昭文堂印刷は、印刷というかたちでその一端を担え、少しでも能登復興のお役に立てればと思います。
写真集は現在、県内書店およびオンラインにて好評発売中です。ぜひ一人でも多くの方にお手に取っていただき、能登の「今」に触れていただければ幸いです。
震災からから約2年。能登のいまを捉えた写真集です。
復興のために、僕も1冊購入したよ!