グッズの印刷方法を選ぶポイント・特徴・比較表まとめ【印刷豆知識シリーズ】
以前の記事では、紙への印刷を中心とした印刷方式として、平版印刷、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷、デジタル印刷の5つをご紹介しました。
今回は、主に紙以外の素材であるノベルティグッズの印刷方法について、カンタンに解説していきます!
ノベルティグッズの印刷方法の種類
主な印刷方法は下記の5つあります。
- シルクスクリーン印刷
- パッド印刷
- 熱転写プリント
- 昇華転写プリント
- インクジェット印刷
紙製品以外のグッズや容器に印刷するときも、1色なのかフルカラーなのか、対象物が平滑なのか曲面なのかなど、さまざまな要素によって印刷する方法が変わります。
印刷方法の特徴・選ぶポイント
(1)シルクスクリーン印刷
こちらは印刷方式の中でも説明した孔版印刷と同じです。
基本的に1色や2色程度の色数が少ないデザインに利用されることが多いです。印刷色が多くなるほど版代がかかるため、多色刷りにはあまり向いていません。

<メリット>
- 多様な素材へ印刷可能:柔軟性のある版のため、布・プラスチック・金属など、さまざまな素材へ印刷できる。
- 色の鮮明さ:他の印刷方式に比べてインクが厚く塗布されるため、色が鮮やかで立体感が出せる。
<デメリット>
- 精細な表現は苦手:細かいデザインには不向きな場合がある。
- 少量印刷には不向き:少量ではコストが高くなる。
<主な用途>
球体などの曲面のある立体物へ印刷したい場合、紙以外の素材に印刷したい場合、表面がつるっとしたものへ印刷したい場合
例:Tシャツ、トートバッグ、看板、シャンプーボトル、おもちゃなど
(2)パッド印刷
下の写真左上にあるような柔らかいシリコン製のパッドを使用して、インクを印刷物に転写します。パッドは対象物によってサイズの違うものを選んでいます。
形状や素材に応じて柔軟に対応できるので、さまざまな用途に使われています。

<メリット>
- 多様な形状にフィット:凹凸のある面、曲面など複雑な形状や小さいものへの印刷が得意。
- 精細な表現も可能:シルクスクリーンに比べて、微細な文字やデザインといった細かな表現が可能。
- 耐候性や耐摩耗性:擦れなどに強く耐久性がある。
<デメリット>
- 大きいものには不向き:パッドのサイズに限界があるので、大判の印刷はできない。
- 複雑な色は苦手:多色・グラデーションなどの再現ができない。
- 大量印刷には不向き:大量生産には時間がかかる場合がある。
<主な用途>
単色でシンプルな印刷をしたい場合、プラスチック・ガラス・金属・木材に印刷したい場合、電子機器の部品といった小さいものへロゴや文字を印刷したい場合
例:ゴルフボール、バッド、スイッチ・ボタン、マグカップ、自動車部品、おもちゃなど
(3)熱転写プリント
スポーツウェアの背番号などを印刷するときによく使われる印刷方法のひとつ。
版が不要な印刷方法ではありますが、ノベルティに圧着する転写シートを作る必要があります。100均でもアイロンプリントシートという商品が売られていますが、それと同じだと思っていただけると想像しやすいかもしれません。
手順としては、まず印刷データをシートにプリントしてから、印刷に不要な部分をカットして取り除いて、転写用のシートを作成。その後、Tシャツ等の対象物にシートをセットして、熱を加えて圧着することで、転写シートからインクを移し印刷しています。
一度シートにプリントする性質上、印刷したいと思ったデータをそのまま再現できます。
※写真はイメージです。

<メリット>
- カラフルな印刷が可能:フルカラーで鮮やかに仕上がる。
- 複雑な色味にも対応可能:写真などグラデーションを含むデザインでもOK。
- 小ロット・短納期向き:少量の印刷でもコスト効率が良く、スピーディーに印刷できる。
<デメリット>
- 精細な表現は苦手:細かい模様などのデザインには不向きで、剥がれやすくなってしまう。
- 貼り付けた感が出る:シートを圧着するので、印刷物の素材や質感は失われる。
- ヒビ割れする可能性:印刷面がヒビ割れしたり剥がれることもあり、通気性も良くない。
<主な用途>
フルカラーで印刷したい場合、生地全般に対して印刷したい場合(綿、ポリエステル、ナイロン、ドライTシャツなど) 例:Tシャツ、スポーツウェア、キャップ、トートバッグなど
(4)昇華転写プリント
先ほどの熱転写プリントと同様、こちらも転写用のシートを介して熱と圧力をかけて印刷しています。どこが違うのかというと、熱転写プリントは”熱で貼り付ける”一方で、昇華転写は”熱で気化したインクで染色する”という点です。
どちらもフルカラー印刷に向いていますが、仕上がりが全く違います!
※写真はイメージです。

<メリット>
- カラフルな印刷が可能:熱転写よりも色鮮やかに仕上がる。
- 素材感を損なわない:素材・質感の風合いを活かせる。ヒビ割れの心配も少ない。
- 複雑な色味にも対応可能:写真などグラデーションを含むデザインでもOK。
<デメリット>
- 素材が限定的:印刷できるのはポリエステル素材のみ。
- 商品の色味が限定的:白色や淡い色のものにしか印刷できない。
<主な用途>
フルカラーで印刷したい場合、素材感を活かしたい場合(ポリエステル素材に限る)
例:キャラクターのタオル、ブランケット、浴衣、ポリエステル加工が施された陶器・金属製品など
(5)インクジェット印刷
こちらもフルカラー印刷をする際によく利用される印刷方法です。
デジタルデータを直接印刷するので、版を作る必要がありません。また、UVで硬化させるので仕上がりも比較的早い傾向にあります。
当社にあるUVインクジェットプリンタは、凹凸のない平滑な製品であれば5cmの厚みまでフルカラー印刷が可能です!(回転式インクジェット印刷機であれば、タンブラーなどの曲面にも印刷できます。)

<メリット>
- カラフルな印刷が可能:高解像度でフルカラー印刷ができる。
- 白色も印刷可能:基本の4色と別途ホワイトインクを搭載しており5色刷りできる。
- 多様な素材:布、木材、アクリル等幅広い素材に印刷できる。
- 小ロット向き:1個から作成可能でサンプル作りにも役立つ。
<デメリット>
- 大量印刷には不向き:大量生産にはコスト・時間がかかる場合がある。
- 金色・銀色は印刷不可:金・銀・蛍光色・DIC指定といった特色は印刷できない。
- マットな質感になる:UV硬化する性質上、光沢感は失われる。
<主な用途>
フルカラーで印刷したい場合、ノベルティのサンプルを作りたい場合、大きいサイズの場合
例:トートバッグ、鉛筆、鏡、USBメモリー、ステンレス名刺ケース、大きな看板など
各印刷方法の比較表
上で説明した内容をまとめた一覧表です。
| (1) シルクスクリーン印刷 |
(2) パッド印刷 |
(3) 熱転写プリント |
(4) 昇華転写プリント |
(5) インクジェット印刷 |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 版の作成 | あり | あり | なし | なし | なし |
| ロット | 大ロット向き | 小ロット向き | 小ロット向き | 普通 (1枚~) |
小ロット向き (1枚~) |
| コスト | 普通 | 高め | やや高め | 普通 | やや低め |
| 納期 | 普通 | 短め | 短め | 普通 | 短め |
| フルカラー印刷 | △ (単色向き) |
△ (単色向き) |
〇 | 〇 | 〇 |
| 曲面への印刷 | 〇 | ◎ (複雑な形状も◎) |
〇 | 〇 | △ (機械による) |
| 細かい デザイン |
✕ | 〇 (グラデーションは✕) |
✕ | 〇 | 〇 |
| 印刷できる素材 | 幅広い | 幅広い | 幅広い | ポリエステル のみ |
幅広い |
| 特色 (金色、ラメ等) |
〇 | 〇 | 〇 | ✕ | ✕ |
| 仕上がり | はっきりくっきり 細かい文字は かすれる場合も |
細かい表現も きれいに 仕上がる |
シートを 貼り付けるので、 ヒビ割れ・ はがれる可能性も |
生地になじむので 自然な風合いに |
アルコール液で 消える場合も |
| 主なグッズ | Tシャツ、 トートバッグ |
マグカップ、 小さい部品 |
Tシャツ、 パーカー (幅広い素材◎) |
タオル、 スポーツウェア |
トートバッグ、 USBメモリ |
まとめ
いかがでしたか?こういった印刷方法を知るまでは、「お皿やタンブラーみたいな平らじゃないものは、どうやって印刷しているんだろう…?」と不思議に思っていましたが、こんな風に使い分けされていたんですね。
昭文堂でも、さまざまなノベルティグッズを作った実績があります。「こんなの作りたいんだけど・・・」といったご相談があれば、用途に合った方法をご提案させていただきます!
もちろん、どんなグッズを作るか迷っている段階でも大丈夫です。どういったイベントで使うのかや、ターゲットが誰なのかを相談しながら、ぜひ私たちといっしょに素敵なノベルティグッズを作りましょう!
以上、印刷に関するちょっとした豆知識でした。



僕のグッズもいろんな方法で印刷されているよ